特集 産婦人科薬物療法の基礎知識
薬物アレルギー
高橋 昭三
1
Terumi Takahashi
1
1昭和大学医学部第1内科
pp.959-967
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204701
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はじめに
薬剤による異常反応が年ごとに増加の傾向を示していることは,大気汚染などとともに社会的にも医学的にも重大な問題を提起していることは衆知の事実である。
薬剤による異常反応は,その薬剤本来の薬理作用ないしそれと関連して生ずる2次作用(たとえば抗生物質使用による菌交代現象やテトラサイクリンによる乳幼児の歯牙黄色着色など)に基づくものと,薬理作用とは関係なく,むしろ特定の人に発生する,体質と密接な関係のある反応とに2大別することができる。後者のうち特に免疫学的機序によつておこると考えられるものが薬剤(薬物)アレルギー(drug allergy)である。薬剤過敏反応(drug hypersensitivity)という名称も同義語としてよく用いられる。
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