特集 妊娠と合併症
腎疾患妊婦の取り扱い方
出浦 照国
1
,
越川 昭三
1
Terukuni Ideura
1
,
Shozo Koshikawa
1
1東京医科歯科大学医学部第2内科
pp.857-863
発行日 1972年10月10日
Published Date 1972/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204686
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はじめに
妊娠は腎および水電解質代謝に特異的変化をもたらし,浮腫,高血圧の傾向が生理的な範囲においても認められる。したがつて腎疾患を有する婦人の妊娠が,経過中さまざまな異常経過をとりやすく,母体,胎児ともに好ましからざる結果におちいりがちであることはよく知られており,日常臨床においてその扱いに苦慮することが多い。本稿では,妊娠による腎の生理的変化の概要を述べ,さらに比較的高頻度にみられる腎疾患のおのおのと妊娠の合併について,それぞれのclinical courseの特性を述べ,その扱いについて紙数の許す範囲で触れてみよう。
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