症例
xo/xx/xxx mosaicismを呈したTurner症候群の1例
北尾 学
1
,
梅沢 潤一
1
,
成田 喜代司
1
,
田原 剛
1
,
川上 伸児
1
,
飯野 晃啓
2
Manabu Kitao
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
2鳥取大学医学部解剖学第二教室
pp.367-372
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204597
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近年,染色体に関する研究はめざましく進歩し,先天異常,精神薄弱などの分野をはじめとして広く生物学領域において注目されるようになつた。産婦人科領域においては,先天異常発生原因究明の点から染色体の問題がとりあげられ,脚光をあびて以来,この分野における多くの研究がなされ,ひいては流早産,不妊症との関係について,あるいは悪性腫瘍の発生や増殖との関連について染色体の意義が重要視されるにいたつた。
1938年,Turner17)がinfantilism, congenital webbed neck, cubitus valgusを3主徴とする症候群を報告して以来,本疾患はTurner's syndromeとして一括されたが,その後,染色体研究の発展につれて多数の本疾患患者の染色体構成が報告された結果,Turner症候群の臨床像が複雑化し,定義にも混乱をきたしている感がある。
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