臨床メモ
子宮内膜症と流産
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.33
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204545
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子宮内膜症は治療法にGestagen療法が登場し,最近ではこれの発見される頻度も高くなつているなど,臨床的に注目を浴びつつある疾患といえよう。とくに不妊症との関係は,抗生物質療法の発達により炎症性疾患の減少してきた今日において重要な位置を占めてきている。欧米の文献にも不妊症に対する子宮内膜症の手術的療法の結果が比較的良く目につくようである。そこでその一つとしてPetersohn (Acta Obst.&Gynec. Scandinav.49:331,1970)の報告を紹介する。
彼は子宮内膜症のうち,卵巣内膜症と診断された172名の患者について,その治療前後の妊娠状態を調査した。そのうち125名は妊娠を希望して手術が行なわれたが,初診以前に1年以上の不妊を訴えたものは111名あり,71名(64%)が原発性不妊,40名が続発性不妊であつた。
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