カラーグラフ 境界領域シリ-ズ
産婦人科と膀胱鏡
小池 六郎
1
1杏林大学泌尿器科
pp.1006-1007
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204497
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最近婦人科医の方も膀胱鏡検査の重要性を認識され,泌尿器科医に検査を依頼される機会が多くなってきた。そのうらでとくに多いのは子宮頸癌に関するもので,術前に膀胱鏡検査により膀胱への浸潤の有無を依頼されることが多い。大部分の症例において術前に膀胱壁まで浸潤することはなく,従って膀胱粘膜に変化を示すような症例は手術不能と考えてよいようである。
図1は子宮頸癌第3度の症例で,膀胱三角部からその上部にかけ腫瘍により圧迫されて膨隆しており,図示のように右尿管口が正常位置より右側に圧迫され移動している。しかし膀胱粘膜そのものに変化はなく,尿管への浸潤もなくて静注腎盂撮影において両腎機能とも正常であった。
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