薬の臨床
外陰癌におけるBleomycinの投与経験
関場 香
1
,
相良 祐輔
1
Kaoru Sekiba
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.979-990
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204494
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はじめに
女性性器癌の治療成績は他の臓器のそれに比較して良好な成績を得ているが,これを,更に向上させるためには,早期発見,早期治療が望まれることは言うまでもない。外陰癌の治療においては,子宮頸癌におけると同様,手術療法,放射線療法およびその併用療法がおこなわれているが,その成績は決して満足すべきものとはいえない。
一方,癌化学療法における根治性の問題は期待し難い現状といえる。すなわち,重篤な副作用と相俟つて補助療法あるいは末期癌,再発癌の手のつけようのない症例に対する,多分に気休め的なものが多かつた。すなわち,比較的初期の患者に対し抗腫瘍性物質による単独療法は殆んど考えられなかつた。
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