MY THERAPY in Series・36
妊娠子宮筋腫の取扱い
織田 明
1
1虎の門病院
pp.735-736
発行日 1965年9月10日
Published Date 1965/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203334
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元来子宮筋腫は甚だ多い疾患で,無症状で特に治療を要しないものまで含めると30才以上の婦人の約20%に存在するともいわれているが,何らかの症状があつて婦人科を訪れたり或は他の主訴で婦人科を受診して偶然発見されたりして手術を受けるものが多く,過去3年間に扱った当科の開腹手術患者479名のうちの40.8%を占めている。
子宮筋腫が存在すると妊娠が成立し難いといわれているが,このように頻度の多いものですから日常診療上妊娠と筋腫の合併している揚合にしばしば遭遇する。この揚合に保存的に取扱つて分娩までもつていけるか,思い切つて手術した方がよいか,また手術するとしても子宮筋腫核出術ですむかあるいは子宮剔出をせねばならぬか,その処置に迷うことがある。結婚後間もない未産婦の場合には特に慎重を要することになる。もちろん発見の時期や症状によつて個々に処理すべきであるが私が日常実施している取扱い方について2,3述べてみる。
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