薬の臨床
産科領域—特に分娩経過中におけるPentazocineの試用治験
中嶋 雄志
1
,
内藤 忠尚
1
,
手塚 一郎
1
,
渡辺 次郎
1
Yushi Nakajima
1
1同愛記念病院産婦人科
pp.477-482
発行日 1971年5月10日
Published Date 1971/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204412
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
産科領域における無痛分娩(むしろ和痛分娩という方が適切である)が一般の関心をひくようになつたのは,我が国では,昭和23年以降1)であるといわれているが,分娩時の和痛は主として分娩第2期に行なわれた。麻酔学の普及とともに,分娩第1期にも,和痛の目的で各種の鎮静鎮痛剤が使用されるようになり,いわゆる迷蒙麻酔が好んで用いられているのが現況である。そして,分娩経過,および胎児に直接間接的に害を及ぼさずに,分娩中の産婦の痛みを和らげるという目的を持つた薬剤の出現が強く望まれている。
今回,著者らは,新しく開発された非麻薬性鎮痛剤である。ペンタゾシンの提供をうけたので,これを分娩第1期に使用し,若干の治験を得たので報告する。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.