薬の臨床
妊娠悪阻に対するThiethylperazine dimaleate(TORESTEN)—殊にBellafoline製剤(BELLADENAL-R)との併用による治療成績
佐々木 寿男
1
,
金子 宜淳
1
Hisao Sasaki
1
1社会保険埼玉中央病院産婦人科
pp.549-552
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204231
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はじめに
妊娠初期に見られる妊娠悪阻は,晩期に発生する妊娠中毒症とともに,その成因がなお明らかにされていない。もちろんこの病態生理に関しては多くの学説があり,種々のアプローチが試みられてはいるが,いずれも仮説の域を出るものでなく,その実態解明は依然として未解決のまま今日に至つている。
従つて悪阻患者に対する治療法,使用薬剤は枚挙にいとまがないくらい存在し,その夥しさは結局悪阻に対する決定的な治療手段が見付からない事実を物語つているといえよう。
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