Japanese
English
産科 妊娠悪阻
妊娠悪阻に対するB.Z.剤の治療成績
Effects of B. Z. drug on hyperemesis gravidarum
大友 泰郎
1
,
村中 篤
1
,
遠藤 義彦
1
Yasuro Otomo
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.117-118
発行日 1962年2月10日
Published Date 1962/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202568
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はじめに
悪阻の原因に就いては,古来幾多の学説があり未だ定説はなく,従つて現在まで種々の薬物療法が試みられて来たが,特効的なものはなく,場合に依つては更に暗示療法,理学療法,又は食餌療法を適宜併用しても,全く効果の認められない場合があり,絶食療法が卓効を奏する場合もあるが,最後の手段として妊娠中絶を行わねばならぬ時もあろうが,かかる症例は近時減少しつつある。
妊娠時に於ては代謝異常の結果,ビタミンの欠乏,特に近年V.B6の欠乏を来し易いと言われ1)2),又本症の際の諸症状がヒスタミン注射の際の症状に似ている事,及び妊娠初期殊に悪阻患者に於て屡々血液中ヒスタミンの急激な増加を来す事等より,本症の治療にV.B6および抗ヒスタミン剤の使用が行われて来た。
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