カラーグラフ 子宮頸癌の診断・5
上皮内癌Ca in situの診断
栗原 操寿
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.382-383
発行日 1970年5月10日
Published Date 1970/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204207
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1.上皮内癌の病態
パノラマのように,上皮内癌は子宮頸部の扁平円柱境界scjに接する内側に好発する。
はじめのあいだ基底膜上をまるで滑るように(単純置換simple replacement)のび,途中で頸管腺に寄り道(腺腔侵襲gland involvement)しながら,円柱上皮域を上回性に,またscjの内側を環状にひろがる。度合いが進むと,粘膜下結合織を圧排し,舌状に起伏(肥厚増殖bulky outgrowth)する。数年あるいは10数年を経て破壊力をそなえ,基底膜を破り,浸潤癌に移行する最初期の悪性病変と考えられている。
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