臨床メモ
基礎体温測定と避妊
竹内 久弥
1
1順天堂大学医学部
pp.150
発行日 1970年2月10日
Published Date 1970/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204166
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基礎体温(BBT)を多数の婦人に測定させ,避妊のためのデータを得た報告を2編紹介する。
分娩後の排卵および月経発来時期を知るために,Cronin(Lancet,2,422,1968)は93名の非授乳婦人と81名の授乳婦人にBBTを測定させた。BBTの上昇で排卵時期を観察した結果,非授乳婦人では平均73.5日で,23%が月経発来前に妊娠可能な排卵をしており,最も早いものは分娩後27日であつた。授乳婦人では,授乳期間に比例して排卵時期は遅れ,授乳期間が16週間までの平均排卵日は授乳期間を上まわる。授乳中で月経が発来していない婦人では,分娩後10週以内に排卵することは稀である。この結果で最も興味深いのは,分娩後の最初の月経が発来する前に約1/4の婦人が妊娠可能なことであろう。非授乳婦人では,早ければ分娩後4週で排卵を見ることがあり,このことはKavaら(Am.J.Obst,& Gynec.,102,122,1968)の産褥子宮内膜の観察の結果とも一致するものである。したがつて非授乳婦人の避妊指導は,分娩後4週から始めねばならない。
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