今月の主題 熱性疾患への臨床的アプローチ
体温測定の歴史
吉利 和
1,2
1浜松医大
2東大
pp.314-315
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207097
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体温を測定するということには,大きく分けて3つの目的がある.ひとつは,もっぱら人間に対するもので,熱があるかどうか,あるとすればどの程度か,また異常に体温が低いかどうかということである.これは臨床家が主として用いているものである.その次は,体温の変動の程度を知ることで,主として体温調節の生理を調べることであり,人間のみならず動物でも用いられる.第3は,生体のいろいろの部位の温度を測ることであって,体温という言葉はあてはまりにくいこともある.
いったい体温とはどこの温度をいうのかについては理論的には決めがたい.どこかの部位の温度をもって体温と表現するだけであり,核温度とでもいわれるものが,ほぼこれに当たるであろう.
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