特集 月経異常とその診断
月経疹
大原 一枝
1
1関西医科大学皮膚科教室
pp.99-101
発行日 1970年2月10日
Published Date 1970/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204157
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
月経疹について原稿を求められることは今回で5度目であるが,毎度ながら少なからず困惑する。なぜなら,月経疹なるものの実在に関して,私自身,あるときは肯定し,あるときは疑問に思うという,はなはだあいまいな立場にいるからである。したがつて読者や編集者の意図に添わぬことの多いことを恐れながら,以下,月経疹のアウトラインについて述べることとする。
月経疹とは,一口に言えば,月経に関連して再発性に生ずる皮膚や粘膜の発疹である。そしてその疹型は,一般の中毒疹,薬疹と同様,はなはだ多様な表現形式をとり,一定の疹型は示さない。本邦報告例で最も多いのは紅斑類(多形滲出性紅斑,紅斑,環状紅斑,血管神経性紅斑,固定性紅斑,結節性紅斑を含む)で,全例の半数近くを占め,次いでヘルペス型,じんま疹型が比較的多く,以下,湿疹・皮膚炎,色素沈着,毛嚢炎・座瘡,紫斑,その他の種々雑多な疹型がこれにつづく。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.