薬の臨床
更年期様症候群に対するVitamin Eおよびγ-Orysanol合剤(Ovasmon)の臨床効果
舘野 政也
1
Masaya Tateno
1
1富山県立中央病院産科婦人科
pp.81-83
発行日 1970年1月10日
Published Date 1970/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204154
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更年期様症候群は卵巣の老化にもとづく閉経あるいは卵巣の剔出によつて起こつてくる症候群である。更年期障害の本態についてはまだ定説はないが,卵巣の老化,退行変性のために,卵胞ホルモンの減少をきたすという卵胞ホルモン減少説,gonadotropinに対する卵巣感受性が低下するため,脳下垂体は多量のgonadotropinを放出し,ために血管運動神経中枢を刺激して更年期障害を起こすというgonadotropin過剰原因説などがある。またこの治療としては,従来からestrogen制剤,pro-gesterone制剤あるいはandrogen制剤,これらの合剤が用いられてきたが,androgenを除いては消腿出血がみられることから,いわゆる閉経後婦人の治療としては不適当な場合が少なくない。これらhormon療法に代つて,最近,γ-Orysanol, Diazepamなどによる自律神経安定作用を期待する療法およびvitamin Eによる内分泌臓器調節作用を期待する療法が行なわれるようになつてきた。我々は今回,γ-Orysanolおよびvitamin Eの合剤であるOvasmonを更年期様症候群に使用する機会を得たので,少数例ではあるが以下その成績について述べる。
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