特集 新生児薬物療法
新生児のトキソプラズマ症
八神 喜昭
1
Yoshiaki Yagami
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室
pp.855-859
発行日 1969年10月10日
Published Date 1969/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204103
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
Toxoplasma症は1908年にNicolle & Manceaux1)によつて北アフリカにおいて発見された原虫Toxoplasma gondiiによつて起こる感染症であり,広く哺乳類に分布するものであるが,人においてはWolf, Cowen & Paige2)が報告したのに始まり,欧米諸国では多くの人感染症の報告がみられている。わが国における報告は従来あまりみられていなかつたが,最近に至り本症に対する関心が高まるにつれ,若干の報告をみるにいたつたが,なお欧米諸国におけるほどではなく,今後大いに注目されるべき疾患であろう。ために本稿において新生児トキソプラズマ症の薬物療法を述べるに当たり,本症について概説することにする。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.