シンポジウム 帝王切開術
帝切後の子宮造影像と切創縫合
三井 武
1
1日本医科大学
pp.651-657
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204076
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近年,帝王切開の頻度は麻酔の発達,手術法や抗生物質,あるいはMEなどの進歩により,母児に与える影響が非常に少なくなつたために,その実施は容易になり,また適応の拡大解釈や,既往帝切がそのまま適応になるといつたようなことから反復帝切される場合もあつて次第に増加の傾向にあります。
しかし手術に伴う術後障害の発生は,軽視できないものがありまして,一般外科手術に伴う後遺症としての異物遺残や,化膿,癒着などのほかに,腹壁月経瘻の発生,あるいは帝切切開創の癒合不全などの問題が起こつてくる訳であります。特に帝切後の瘢痕につきましては,その後の妊娠,分娩に与える影響が非常に大きいだけに,以前から注目されているところであります。
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