今月の臨床 異所性妊娠
診断と治療の実際
6.帝切創部妊娠
堤 誠司
1
,
前川 絢子
1
,
倉智 博久
1
1山形大学医学部産科婦人科
pp.1122-1125
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102431
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はじめに
帝切創部妊娠(cesarean scar pregnancy : CSP)は,異所性妊娠のなかでも稀であるとされており,その正確な頻度や自然経過は不明であるが,近年帝切率の上昇に伴い報告例が増加している.多くは妊娠第一三半期を越えると子宮破裂や大量出血に至る可能性が高いため,早期の診断,治療が必要とされる.当院にて過去1年半(2008~2009)の間に取り扱ったCSPは4例あり,3例に対しては腹式単純子宮全摘術を施行し,1例はメトトレキサート(methotrexate : MTX)投与により保存的治療を施行した.本稿では,これらの自験例(子宮全摘症例,子宮温存症例)を紹介し,CSPに対する問題点を概説する.
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