特集 私の手術・Ⅱ
分娩時子宮頸管裂傷縫合術
松岡 松男
1
Matsuo Matsuoka
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.559-561
発行日 1969年7月10日
Published Date 1969/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204061
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はじめに
頸管裂傷は,分娩第Ⅲ期より第Ⅳ期にわたり,時として母体に致死的な大出血を起こすものであり,またやや大きな裂傷では,この処置が不適当だつたりした場合は,将来,子宮口の不規則な哆開による頸管炎や腟円蓋との癒着,またいわゆる子宮頸管無力症となって習慣性流早産の原因となりうる。したがって,頸管裂傷に対しては,時期を失せぬ短時間内の止血と完全縫合との処理技術を要するものと思う。これには診断の確定が先決であるので,この点から簡単に述べて見よう。
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