特集 卵管--その生理と臨床
卵管の運動
武田 寛
1
Hiroshi Takeda
1
1塩野義研究所
pp.369-374
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204032
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はじめに
卵管機能のなかで,もつとも重要なものは,卵移送機能である。卵移送機序には,趨化性,繊毛運動,筋運動が考えられてきたが,現在筋運動をその主役とする説が有力である。もつとも,膨大部では繊毛運動,峡部では筋運動という報告1)もあり,繊毛運動がまつたく否定されたわけではない。しかし,いずれにせよ卵移送問題を追究するためには,まず卵管運動の実体が把握されねばならない。事実,多くの研究者がこの問題に取組み,報告も相当数にのぼつている。以下著者らが注目している自律神経,特に交感神経支配の面からみた卵管運動を中心に,卵管運動,そして卵移送を展望してみる。
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