特集 産婦人科医のための簡易検査法
腟内容の簡易検査法—特に感染について
水野 重光
1
Shigemitsu Mizuno
1
1順天堂大学医学部産婦人科教室
pp.549-551
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203727
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はじめに
腟感染症の症状として帯下は主要なものであるが,感染症の診断に当つては,問診により帯下だけでなく,これ以外の自覚症状を含めて,その種類,強弱,経過,誘因などについて詳しく聴取し,微生物感染を想わせる症状の有無をあらかじめ知ることが大切である。このようにして微生物感染の疑いの濃厚なときはもちろんであるが,微生物とは関係がないと考えられる場合でも,帯下の原因中主要な部分を占める感染症を否定してからでないと診断がつけられないことが多いから,微生物の検索は日常の帯下治療上怠ることはできない。帯下の原因を検べる際には腟内容だけの検索では診断を誤るおそれがあるが,編集部から腟内容の検査法と限定されているので,簡易な方法という趣旨に沿つて主として腟内容中の主要病原微生物の検査法について簡単に述べてみたい。
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