特集 絨毛性腫瘍の化学療法
MTX療法についての日米共同研究に関する日本の成績(第1報)
長谷川 敏雄
1,2
Toshio Hasegawa
1,2
1日本赤十字社中央病院
2日本産科婦人科学会絨毛性腫瘍委員会
pp.275-278
発行日 1967年4月10日
Published Date 1967/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203673
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はしがき
絨毛性腫瘍(以下絨腫瘍と略) trophoblasticneoplasiaに対する化学療法としては,今から10年ほど以前には主としてNitrogen mustard,Ni—tromin,Paroxyhydropropiophenone (PHP),8—Azaguaninなどが用いられ,その後Merphirin,Toyomycin,Mitomycin,ChromomycinA3といつたような抗癌剤も出現するに至つたが,その効果はどうもあまり香ばしいとはいえず,なんとかより強力な薬剤がとは,斯界における切なる要望であつた。
そうしたさ中へ登場したのがA-methopterin,一名Methotrexate (MTXと略),Vincaleuko—blastine (VinblastineまたはVelbe)およびAc—tinomycin D (またはDactinomycin)などで,これによつて従来暗憺たるものがあつた本症の予後は著しく改善され,かつてない明るさを示すに至つたといつてよい。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.