薬の臨床
新生児黄疸に対するGlutathione療法
赤須 文男
1
,
石川 久夫
1
,
舘野 政也
2
,
金城 国弘
2
,
丸山 裕史
2
Fumio Akasu
1
,
Masaya Tateno
2
1金沢大学医学部産婦人科教室
2富山県立中央病院産婦人科
pp.259-265
発行日 1967年3月10日
Published Date 1967/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203671
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はじめに
周知のごとく,血液型不適合による新生児重症黄疸に対しては,その過Bilirubin血症を早急に消退させ,核黄疸発生を防止し,児死亡率を低下させ,Posticteric encephalopathyを軽減させる目的で,交換輸血が頻繁に行なわれている。一方,新生児のほぼ80%以上に発現する,いわゆる新生児黄疸に関しては,この多くが生理的なものであることから等閑視きれてきた感があるが,この中には核黄疸や脳性麻痺の発生する新生児重症黄疸へ移行するものもあることが明らかとなり,血液型不適合による新生児溶血性疾患児はもちろんのこと,これ以外の過Bilirubin血症を呈する重症黄疸児に対しても,交換輸血が適応されるようになつた1)2)3)
最近の統計によれば,交換輸血を実施している重症黄疸児の中,約30%は血液型不適合によらないものであるといわれている。
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