特集 胎盤
その基礎と臨床
胎盤の免疫・2
胎盤の螢光抗体
山口 光哉
1
Mitsuya Yamaguchi
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
pp.981-985
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203605
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
免疫学は近来医学の分野で最もすみやかに発展しているもののひとつで,そのつながりは多くの領域に網の目のように延びている。螢光抗体法は組織あるいは細胞内の抗原・抗体反応を対象とする免疫組織学的手法で,本法の創始者Albert H・Coons20)によれば,"螢光抗体法の真の価値は組織・細胞内で展開される生命現象の真の姿を捕え得るところにある"といわれるように,従来の方法では顕微鏡下で観察できなかつた組織または細胞の微生物・菌体成分・virus・蛋白・酵素・ホルモンなどの存在部位を明らかになし得るのであつて,基礎,臨床を問わず最近益々応用の範囲が拡大されてきている。本稿では内分泌学的,免疫学的に特異の位置を占める胎盤の螢光抗体法応用の研究につき展望してみよう。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.