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私の座右書
安井 修平
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1元:東京逓信病院
pp.185
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203437
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座右の書は何ですかと聴かれて万巻の書物を述べたてれば法螺になり,何も無いと答えれば卑屈になることに日常の診療においてとの但し書があると一層この感が深い。
だが質問を受けた以上何とかお答をせねばならない。私が大学を卒業して医局へ入つたとき,当時助教授だつた白木正博先生にどんな本を読めばよいかと伺つたとき,先生は即座に卒業後1年間に日本語の専門書を全部読め,第2年目にはドイツ語の教科書を全部読め(但し45年前には外国語の本といえばドイツ語の本が主であつた)。第3年以後は原書の全書(Handbuch)をできる限り読みこなせと発破をかけられて吃驚した。万巻の書を読破することは困難なものである。
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