MY THERAPY in Series・38
手術時創傷処理の2,3について
西田 悦郎
1
1金沢大学
pp.894-895
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203365
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手術に際しては患部を完全に摘除し,かつ安全に術中を経過させることがもつとも重要な事柄であることは言をまたないが,婦人における手術では第2義的ではあるが,創傷瘢痕の外観の良否が患者に深い関心を抱かせ,またこのことは単に外観のみでなく,創傷治癒経過の良否に一致することが多い。すなわち.上皮の縫合が不適当であれば,上皮下血腫,癒合不全,2次感染などが起こり,治癒経過をいたずらに長びかせ,患者に不要の苦痛を与え,醜悪な瘢痕を残し,場所によつては長期間の疼痛と機能障害を残すことになる。
これらについては各術者によつてそれぞれに工夫がこれらされ,また,内外手術書にも古くからいくつかの注意や要領などが記載されており,それらの要点は赤須の手術書1)にも詳しいのでそれにゆずり,以下著者が主に腟式とくに腟上皮の広範な剥離を要する手術について,種々の経験に基づいて考えていることを2,3述べる。
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