MY THERAPY in seride・25
泌乳不全の治療の実際
助川 幡夫
1
1賛育会病院
pp.706-707
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203123
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最近は分娩がすんでしまうと,その後は人工栄養で育てようとする人が多くなつてきているようであるが,新生児を哺育する場合のもっともすぐれた栄養法は母乳栄養であることは論をまたないところである。因みに,生後6ヵ月までの乳児の栄養法について東京都が調査した成績をみると,死亡率の割合は母乳栄養の場合を1とするとき,混合栄養及び人工栄養においては,それぞれ2倍及び3倍に増しており,特に未熟児の場合には7倍および10倍にも達している。
それでは,乳汁分泌を良くする為にはどのような方法が良いのであろうか。それには泌乳の機序についても一応は心得ておかなければならないが,わが国においては,藤井久四郎教授の長年にわたるこの方面における研究があり,特に最近では,第16回日本産科婦人科学会総会の臨床特別講演において,「乳汁分泌不全の処置」について,基礎的・臨床的な範績を述べているので,それらも参考とし,さらにわれわれの病院で行なつている泌乳不全者に対する処置の実際について述べてみたい。
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