特集 子宮癌診療を検討する
3 子宮頸癌根治手術の普遍化について—安藤畫一先生の御提言を読んで
井槌 進
1
1九州大学
pp.679-681
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203116
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はじめに
安藤先生の「頚癌手術に対する峻厳手術と温柔手術について」の執筆依頼をうけ,頚癌手術,とくに安藤先生の御提言とあつてはその任でないことは十分承知しているが,本年3月日産婦総会での特別講演"子宮頚癌の進展性とそれを中心とした治療に関する研究"とも関連性があるようなので,あえてお受けすることとした。
御提案の頚癌手術の普遍化は患者の幸福に直結し,婦人科学の一大進歩であつて,大いに望ましいことであり,「また,頚癌手術による根治性は,唯に骨盤の靱帯とリンパ節の完全剔除だけに依存されているものでなく,これとは無関係でなお未解決な局所補助因子または全身抵抗状態に関係するに相違あるまい」とされ,われわれのすすむべき動向をはつきりと指向されたものとして,先生の烱眼には敬服のほかはない。
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