PROPOSAL
新生児,先天異常,産婦人科図譜
遠
pp.9
発行日 1964年1月10日
Published Date 1964/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202953
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一口に医書と呼ばれても,中身はそれこそ千姿万態である。ことに近年になつて,実にさまざまに編集意図を凝らして驚くほど多くの医書が出版された。他の学問領域ではとても考えられない盛況で,これも医学の世界では必要な現象だと理解しているものの,何らかの整理というか陶汰というか,そういう力がはたらかないと叶わないなという気がせぬでない。出版の評価は一応販売部数でされるが,こう専門化がすすむと一点あたりの売れ行きに多くを期待できないのが頭痛の種だし,これがいきおい高価格と悪循環しかねない。どうかして多くの読者の望んでいる本を出してみたいと苦心するが,書くのは他人様であり,第一,読者の存在をつかむのが難事だ。
ところが,聞いてみると,どんな種類の本でもまかなえそうな医書のはんらんぶりなのに,まだまだ思いがけない穴があちこちあいているそうだ。まだまだ穴がありますよと仰言ることばを頼りに,ではどんな種類の穴がぽつかり大きく口をあけているか明け暮れ気になつて仕様がない。ここはお定まりのアンケートだと思つて,産婦人科の先生方を100人余りお馴染がいに厚顔しくお願いして,どんな本が必要か,規模は,内容は,価格は,筆陣はなどと小うるさくおたずねしてみた。お忙しい中を何と50人もの方が筆者のために日頃の御着眼について詳しく御連絡下さつた。
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