Japanese
English
臨床 海豹肢症
Thalidomide投与によると考えられる海豹肢症の1例
A case of phocomelia presumably due to the administration of thalidomide
赤須 文男
1
,
西田 悦郎
1
,
館野 政也
1
,
岩上 正
1
Fumio Akasu
1
1金沢大学医学部産婦人科学教室
pp.729-732
発行日 1963年9月10日
Published Date 1963/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202886
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
上腕,前腕および大腿,下腿の極度の発育不全又は欠損のあるいわゆる海豹股症Phocomeliaは従来極めて稀な疾患であつたが,近年ヨーロッパにその発生率が急増し,その原因が西独で作られた催眠薬N-Phthalylglutamic imide (Thalido—mide)にあるであろうとLenzらにより発表されて以来,同様の報告が相次でなされ,世界的なセンセーシヨンをまき起し,又,わが国においても同様の症例が,相次でかなり多数報告され1)〜20),深く憂慮されていることは周知の通りである。
われわれもThalidomide系薬剤投与に起因したと思われる上肢の海豹肢症に遭遇したのでここに報告する。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.