Japanese
English
臨床
海豹肢症の1例
A case of phocomelia
斉藤 長士
1
,
小野 泰策
1
,
井関 英夫
1
,
矢島 鑑
2
Takeshi Saito
1
,
Kan Yajima
2
1信州大学医学部産科婦人科学教室
2矢島産科婦人科医院
pp.225-227
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203449
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はじめに
1959年頃より急激に増加しはじめた海豹肢様の重症四肢奇形は,1961年Lenzがその発生にサリドマイドが関与していることを報告して以来,俄然全世界的に注目され,わが国でも数多くの報告と共に一般の人々の注目をも集めるに至つたことは記憶に新しいところである。近年の本邦の海豹肢症報告の多くはサリドマイド服用例より出生せるものであるが,しかしサリドマイド等の薬剤の服用なしに海豹肢症の発生をみる場合も今日迄にかなり報告されている。このように奇形発生の原因は複雑多岐であり,現在もなお原因不明のものが相当多数を占めていることは,今後奇形発生因子のより一層詳細なる検討と症例の集積が必要であると考えられる。
今回われわれは原因不明の海豹肢症の一例を経験したので,その大要につき以下報告する。
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