Japanese
English
特集 先天奇形
症例
アザラシ肢症の1剖検例
An Autopsy case of phocomelia
加藤 典二
1
,
太田 五六
2
,
佐々木 博也
2
,
土井下 健治
2
Tenji Kato
1
,
Goroku Ota
2
1加藤産婦人科
2金沢大学医学部医動物学教室
pp.367-369
発行日 1964年5月10日
Published Date 1964/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203039
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いわゆる海豹肢症(Phocomelia)と耳介奇形(Microtia)は従来非常に稀な奇形であつたが,1960年以来西独を中心として1)急速に増発してきた。しかも妊婦がサリドマイド系薬物を服用したためであろうとLentz (1961)が発表して以来同様な報告が英国をはじめとしてあい次いでなされたが,同時にサリドマイドに由来するかどうかの疑問も提出された2),3)。わが国においても同様の症例が最近かなり報告されて妊婦に恐怖を与えるとともに重大な社会的関心事となつたことは周知のとおりである。われわれもサリドマイド系薬剤投与に起因したと思われるアザラシ肢症の7ヵ月胎児を剖検したのでここに報告する。
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