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グラフ
子宮体部癌発生実験—ハツカネズミ子宮角に20—メチルコラントレン糸を挿入して
Adenocarcinoma induced in the uterine horn of the mouse by means of 20-MC string
大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.189-190
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202761
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20—メチルコラントレンとビーズワックスとを1:3の割合に混合したものを,12番カタン糸に浸透させ,これを独自の方法で,ハツカネズミの右側卵管角に挿入固定し動物を一定期間餌育することにより子宮角に腺癌を発生させるのに成功した。本例は20—メチルコラントレン糸挿入後18週で犠牲に供したハツカネズミに見られた腫瘍である。右子宮角は,1.0×2.0×2.5cm大の結節性腫瘤を形成,後腹壁と癒着し,同側の尿管を圧迫して,腎水腫を発生させていた。腫瘍の組織像は第2図に見るような腺癌で,腫瘍細胞は1〜2層に配列して大いさ,形共に不規則な腺腔を形成し,異型性にとみ,核分裂像も認められる。腫瘍組織は脊椎骨骨膜にまで連続して侵入増殖し,第3図に示す如く,所属リンパ節転移を認めた。左子宮角には,ビーズワックスを浸透させた糸を挿入した。第1図に見るように,太くなつているが,腫瘍は発生しなかつた。
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