Japanese
English
臨床 薬剤
自律神経失調症候群に対するγ—Oryzanol (O-Z)の治療効果
Clinical effects of "γ-Oryzanol (o-z) on vegetative neurosis
小国 親久
1
,
曾田 啓
1
,
高山 哲雄
2
,
稲垣 豊
3
Chikahisa Oguni
1
,
Tetsuo Takayama
2
,
Yutaka Inagaki
3
1北大医学部産婦人科学教室
2東洋高圧北海道工業所病院産婦人科
3深川町立病院産婦人科
pp.945-954
発行日 1962年12月10日
Published Date 1962/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202723
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はじめに
自律神経系がその発症に重要な役割を果しているような疾患が自律神経性疾患であるとするならば,婦人の機能性疾患の大部分や,いわゆる精神身体症の一部もこれに該当しよう。特徴的な幾つか,たとえば,(1)初期症状のほとんどが機能的で,機能的症状を終始示すものが大部分であること,(2)症状が日により,時によつて変動しやすく,部位的にも移動する傾向が強いこと,(3)感情状態により影響され易いこと,(4)一般に主訴の他にいろいろな自律神経症状を伴なつてくること,(5)一般に自律神経機能が不安定であることなどが,この場合認められる。
女性が閉経期に入り,種々の症候を現わしてくることがあつて,内分泌平衡障害とか自律神経失調などに伴なう症候つまりいわゆる更年期症状とか更年期障害〜症候群などと称される。これらの症候群に関する成因は未だ論議のあるところであり,したがつて治療もそれぞれが多様な方式で行なつている現状である。しかし,この障害〜症候群が単一の機能的障害に因るものではなく,多腺性の障害であり,身体内部の内分泌腺変動は間脳視床下部の機能にも影響し,また間脳視床下部の機能(自律神経中枢,性腺や他の内分泌腺の調節・代謝司配の高位中枢)の失調が多彩な病像を可逆的に現わしうるとは充分納得の行くところである。
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