提言 PROPOSAL
新生児研究の望ましい在り方
馬場 一雄
1
1東京大学医学部小児科
pp.786-787
発行日 1962年10月10日
Published Date 1962/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202689
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元来,学問の研究に「研究」以外の目的を考えたり研究の成果に伴う実益を予期したりするのは邪道かも知れない。「科学のための科学」という考えは理想主義の十九世紀ならずとも,人工衛星がランデブーに出かける昨今でも通用する理念であるとは思うが,医学が単なる生物学でない以上,実利的な目標を定めることは,研究のテーマを選んだり,何を先に解決すべきかの順位をきめたりする上にむしろ必要なことである。
そこで,開き直つて新生児研究の目的を考えて見ると,結局の処,新生児の救命と後傷害の予防の2つに尽きる。
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