Japanese
English
婦人科 腰痛
富士吉田市,大月市における婦人腰痛症の実態
Lumbago in fermales in the cities of Yoshida and Ootsuki
星野 玄仲
,
渡辺 彬
Genchu hoshino
pp.525-529
発行日 1962年7月10日
Published Date 1962/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202645
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Ⅰ.緒言
婦人の腰痛症は日常きわめて多い疾患でその治療には甚だ困惑することがある。腰痛の原因は数多く,幸に治療の効果があつても短期日のうちに再発することが多い。この原因を詳しく調べてみると生活様式が禍していることがある。私共の様に地方中小都市に在住して診療に従事していると,この傾向はとくによく伺われるのであつて,かなり優秀な治療薬を使用し,普通の場合であれば治療を期待できるような症例でも時に意外に治療が長引いたり,または再発が早いようなことはしばしば経験するのである。勿論腰痛のうちでも整形外科的疾患,あるいは悪性腫瘍などのように治療に抵抗する症例は除外した。所謂産婦人科を訪れる更年期障害様症状の一つとしてまたは職業などによる骨盤内欝血と思われる一徴候として,あるいは月経困難症,性器炎症の一症状として現われたような腰痛を対照とし,もしもレントゲン像で異常所見を見出したならばこれを除外したのである。このような腰痛をとり上げて調べてみると職業的特色が明かに描き出され,その間の事情を理解しておくことは腰痛の治療実施の上に一つの指針を与えるものと考えられるのである。この故に私共はここに富士吉田市,大月市における婦人腰痛症の実態を調査し,その職業的関係を検討し,職業労務が如何に腰痛症の治療を妨害しているかを述べ諸家の参考に供したいと思う。
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