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産科 産科麻酔
オスモカイン(Osmocaine)の臨床効果(第1報)—持続仙骨麻醉による無痛分娩について
Clinical effectiveness of "Osmocaine", I Report: painless delivery using continuous caudal Analgesia
新藤 邦雄
1
,
石田 寛
1
,
齊藤 良治
1
Kunio Shindo
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.211-214
発行日 1962年3月10日
Published Date 1962/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202589
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Ⅰ.緒言
医学の進歩と共に次々と登場した新しい麻酔剤によつて,無痛分娩法も漸次理想的な方法に近ずきつつある。今日アメリカでは殆んど全ての婦人が無痛分娩の恩恵に浴していると云われ,産婦人科麻酔専攻医の出現と共に,麻酔剤を用いて手術的に分娩を遂行しようとする方向に向つていると云われる。中でも理論と手技の簡易性から,腰椎麻酔及び持続仙骨麻酔で行われる揚合が極めて多く,特に持続仙骨麻酔は悪心,嘔吐,血圧降下等の副作用が少く,分娩の相当長い間を通じて完全な無痛が得られる点より極めてひろく用いられている。子宮神経支配と陣痛の病態生理には未だ不明の点があるが,現在アメリカの伝達麻酔と無痛分娩の基本的な理論はG. P. Clelandにより確立せられた。即ち子宮体から発する知覚神経は交感神経鎖に入りT11〜T12及びL1に入る。この部の運動神経はT6〜T10に発する。子宮頚,腟より発する知覚,運動神経はS2〜S4であり副交感神経が支配するとし,分娩第1期にはT11〜T12を選択的に麻酔する旁脊髄麻酔を,分娩第2期にはS2〜S4を選択的に麻酔する単量仙骨麻酔(Single Dose Caudal Anesthesia)を併用して,分娩第1期または第1期後半より第2期を通じて一貫して伝達麻酔で分娩を遂行する事に成功した。
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