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薬剤の臨床
Chlorthalidone (Hygroton)の妊娠中毒症に対する使用治験
Chlorthalidone (Hygroton) for toxemias of pregnancy
上野 雅清
1
Masakiyo Ueno
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.839-846
発行日 1961年10月10日
Published Date 1961/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202505
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Ⅰ.緒言
産科領域において妊娠中毒症の占める位置は大きなものがあり,その重症,軽症を問わず,われわれが日常の診療において当面することが多い。その治療法もChlorothiazideに端を発した一連のBenzothiadiazine系薬剤が応用されるようになり,かなりその様相を変えつつあるように思われる。これら降圧,利尿効果のある薬剤も,近頃はなるべく少ない量で同程度の効果を有し,且つ,副作用の少ないことを目的とする方向へと進んでいる現状である。
この度,Gaigy研究所のStoll,Graf及びSchmid等の研究により,Chlorthalidone (Hy—groton)が作られたが,これは24時間以上の長期有効性のある降圧利尿剤であることが特徴とされている。その化学構造も,Isoindoline核を有する点が従来のBenzothiadiazine系のものと異なり,化学名は1—oxo−3—(3'—sulfamyl−4'—chlorophenyl)3—hydroxy-isoindolineで,構造式は第1図の如くである。
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