Japanese
English
臨床研究
いわゆる胎盤機能不全の組織所見について
Histological findings of the placenta with hypofunction
河合 信秀
1,2
,
中井 嘉文
1,2
,
渡辺 明
1,2
,
江面 裕幸
1,2
,
石橋 仁子
1,2
Nobuhide Kawai
1,2
1東京大学医学部産科婦人科学教室
2三井厚生病院産婦人科
pp.738-743
発行日 1961年9月10日
Published Date 1961/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202486
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緒言
最近予定日超過に関する問題が注目されているが,これは胎盤機能不全の有無が重要な論争点となつていることは御承知の通りである。元来胎盤機能不全の有無を純形態学的に把握することは極めて困難であり,不可能に近い。胎盤組織のInfarktまたはフィブリン沈着はたしかにその部位における局部的な胎盤機能の廃絶乃至不全を示す指標となり得るが,これを胎盤全体として眺めた場合,果して機能不全があるや否やは不明であり,恐らくその多くは他の健常組織がこれを代償して十分にその機能を発揮しているであろうことは日常常に我々の経験する所である。従って胎盤組織の局部的な所見をもつて直ちに胎盤全体を推測することは極めて危険である。かかる見地から胎盤組織と同時に胎盤血行が一箇所に集まる臍帯部の検索を同時に行つて見るのも無為ではない様に思われる。
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