Japanese
English
グラフ
第3期子宮頸癌に対する腹腟式広汎性子宮全剔出術
Expanded abdominal and vaginal pan-hysterectomies in cancer of the uterine cervix of stage Ⅲ
斉藤 幹
1
Motoi Saito
1
1東京医科歯科大学産婦人科教室
pp.945-946
発行日 1959年11月10日
Published Date 1959/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202057
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- Abstract 文献概要
頚癌の治療には手術療法と放射線療法とがあり,そのいずれを選ぶべきかということは問題の多い点である。然し比処ではこのことにふれないで,癌病巣を手術により積極的に除去しようとする試みの一端を展示したい。本文において手術の対象としたものは3期頚癌,即ち所謂手術不能癌である。晩期癌に対する手術々式は既に少数の人々により工夫,発表されており(三林,Brunschwig, 大川,稲見等),今回の私の試みも従つて決して嶄新なものではない。
癌浸潤が骨盤壁,腟壁,膀胱,直腸等に波及している3期及び4期頚癌は普通,手術の対象より除外されている。これら例は仮令手術を行つてもその治癒率は甚だ低く,手術療法に特に有意性を認めがたいと云われていたが,最近における麻酔の進歩,普遍化,大量輸血施行の容易さは手術手技の改善と相俟つて一部の晩期癌の根治手術を可能なものとしている。即ち3期頚癌の際の骨盤結合織・癌浸潤は多くの場合,岡林術式・萩野氏変法により或いは三林氏の云う超広汎子宮剔出術によつて切除剔出が可能であり,腟壁への高度浸潤は腟式操作の併用により全腟管を剔出することができ,膀胱,直腸浸潤に対しては各臓器の切除を行うことにより所期の手術目的を達成することができる。
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