Japanese
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手術・手技・麻酔
開腹術後苦痛管理の方法(第2報)
Anesthetic Management for Relief of Pains following Laparotomy
森 新太郎
1
Sintaro Mori
1
1新大阪(住友)病院
pp.512-513
発行日 1959年6月10日
Published Date 1959/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201978
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I.緒言
開腹術後の苦痛には(1)腹壁創の疼痛,(2)内臓諸器官より発する疼痛,(3)術後の他の身体的苦痛及び精神的苦悩等があるが之等の内最も患者を苦しめるものは腹壁創の疼痛であることは論を俟たないところである。私は(1)の除去方法としてポリエチレン製の細いアトム栄養留置カテーテルの側壁に小孔数ケ穿つたものを手術終了直前に腹膜と筋肉の問に装置し,創痛発現時それを通じて局麻剤を分割的に注入することにより著効あることを既に述べた。
これを主方法として(1)の疼痛除去に対する補助及び(2)(3)の疼痛,苦悩に対しては非麻薬鎮痛,鎮静剤の同時注射により従来医家の定石であった麻薬使用の方法より完全に脱出することが出来たと報告した。前回は第1報として使用50例に1/2稀釈アネカイン液(或いは2%キシロカイン液)の注入を行つた成績を報告したが,このたびは50例に2%(或いは1%)塩酸エピロカイン液の注入を行つたものの成績を表示し第2報とした。尚主要の点については第1報との比較検討を試みた。
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