Japanese
English
薬剤の臨床
妊娠嘔吐及び悪阻に対するNephralbin使用経験
Treatment of morning sickness and hyperemesis gradidarum with nephralbin
青木 一郎
1
,
一宮 勝也
1
,
岡本 良平
1
,
池沢 新一
1
,
畑中 貢
1
,
熊坂 高弘
1
,
田中 晃
1
Ichiro Aoki
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科教室
pp.959-962
発行日 1958年12月10日
Published Date 1958/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201864
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はしがき
日常外来で屡々,妊婦が早いものでは妊娠第4週から,多くは7〜8週の頃より嘔気が自覚され時には嘔吐を伴い,進んで妊娠悪阻に至るものに遭遇する。この「ッワリ」と称されている妊娠嘔吐の本体については,古くから多くの説がなされて来たが,未だ原因の解明がなされず,従つて治療も種々の方法で行われたが,決定的なものがない現状である。
われおれは経験的に妊娠が進行して妊娠4〜5ヵ月に至つて,胎盤がほぼ完成される時期になると,「ツワリ」の症状が消失することを知つている、そこで,この時期まで出来得る限り妊婦の苦痛を除き,妊娠を円滑に継続せしめることを目的として,重酒石酸カリウム・マグネシウム複塩を主成分としているNephralbin (アヅサ製薬・以下Nと略す)を50名に,又,N及びクエン酸ナトリウムを主成分とするHyperemesin (アヅサ製薬・以下Hと略す)を20名に併用使用した。その結果,従来の薬物に比して劣らぬ効果が得られたので報告する。
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