Japanese
English
臨床研究
頸管妊娠に就いて
On cervical pregnancy
三谷 靖
1
,
立石 博
1
,
岩崎 博
1
,
庄司 友春
1
Yasushi Mitani
1
1長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.168-172
発行日 1958年3月10日
Published Date 1958/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201719
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1.はしがき
頚管妊娠cervical pregnancy,Zervikal-schwangerschaftや頚管(前置)胎盤Placentapraevia cervicalis(Zervixplazenta)は共に稀なものであるが,その予後が極めて重篤で而も術前診断が困難であるから注意を要する疾患である。
頚管胎盤は広義の場合前置胎盤の一種で,胎盤の一部又は大部分が子宮峡部にあるが他の部分が頚管内に位置を占めているものであり,頚管着床は原発的にも続発的にも起り得る。然し狭い意味では頚管妊娠と同じ意味に使われている。頚管妊娠は胎盤(絨毛)が頚管内にのみあつて,子宮体部には絨毛が附着していないものを云うのであつて,厳密には両者を区別すべきものである。九島11)はこれを頚部妊娠と云つた方がよいと述べている。勿論これは子宮外妊娠の一異型である。然し臨床的にはこの両者を区別することは寧ろ不可能であり手術剔出標本又は剖検によつて,確認しなければならない。文献上頚管妊娠の報告はあるが,稀であり更にこのようにして確認された例は更に稀である。
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