今月の主題 鉄銅代謝
話題
鉄銅組織傷害
岡田 茂
1
Shigeru OKADA
1
1岡山大学医学部第一病理学
キーワード:
鉄
,
銅
,
活性酸素・フリーラジカル細菌増殖の因子
Keyword:
鉄
,
銅
,
活性酸素・フリーラジカル細菌増殖の因子
pp.758-760
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904815
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1.鉄銅の物理的性質と生体における利用
鉄銅の主たる役割は電子伝達を含む酸化還元反応の触媒である.生物は酸化還元反応を通じてエネルギー(ATPとして)を獲得している.必須微量金属のうち,成人男子では鉄が最も多く約4gであり,2位は亜鉛(非遷移金属)2g,3位の銅は80mgとなっている.遷移金属は多種類の電荷数をもつ陽イオンとなり,多くの化合物を作りやすい.
鉄は通常+2または+3の酸化数をもつ.種々の陰イオンまたは中性分子が電子ドナー(配位子またはリガンド.複数個のリガンドを有する物質をキレート物質という)となって,鉄との化合物,すなわち,鉄錯体(鉄キレート化合物)を作る.鉄錯体は中性付近でも水溶性であり,触媒活性を有する.
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