特集 婦人科領域のAndrogen
子宮癌のAndrogen療法
赤須 文男
1
1東邦大学
pp.1086-1092
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201294
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本稿内容の概略
末期子宮癌の疼痛緩和に対してはandrogen療法は有効であり,本療法によつて患者は苦痛から暫時解放される。けれども他覚的に癌そのものに対しては好転は見られない。たゞ止血だけが期待される。癌侵襲で副腎皮質は活動を開始し,長期に亙る癌疾のために副腎皮質の慢性機能亢進を来し,これが末期癌症状発現の有力な一原因たりうると考えられる。androgenが副腎皮質機能を抑制することは私の各方面の実験で明かであり,したがつて末期癌に対してandrogenを使用するこは,この慢性亢進状態の副腎皮質機能を抑制するためと,androgen自体の麻酔作用のためとで効果を示すものと考える。
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