症例研究
特異なる経過を辿つた卵巣癌の1例
西谷 司
1
1三重県立大学医学部産婦人科教室
pp.49-52
発行日 1955年1月10日
Published Date 1955/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201144
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1.序言
元来悪性卵巣腫瘍(卵巣癌)と云えばその主たるものとして先ずKrukenberg腫瘍を連想するのであるが,私共は次の如き特異にして興味ある経過を辿つた卵巣癌の1例に遭遇し且つそれは組織学的には膠様癌の所見を呈する転移卵巣癌の一例にして且つ手術による腫瘍の摘出後にも同時に生じ始めていたallgemeine Carcinomatosisと.でも云う可き状態が終に彼女に死の転帰を与えた経過を観察し得たので此処にその臨床経過の大略を記すと共に些かの考案を加えて見度いと思う。
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