今月の主題 内分泌疾患診断の進歩
診断のすすめ方
下垂体後葉
斉藤 寿一
1
1自治医大内分泌代謝科
pp.488-489
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207145
- 有料閲覧
- 文献概要
下垂体後葉系疾患診断のための検査法としてはADHの主作用である腎集合管における自由水排泄の抑制を指標とした各種検査が,その確実さと容易さの故に必須の手技となっている.これに加えて,血中または尿中ナトリウムレベルの測定は,ADH分泌の不足すなわち尿崩症においても,またその過剰であるSIADHにおいても,有力な診断上の指標となる.
血中または尿中後葉ホルモンの測定による後葉機能の診断は,他の内分泌疾患におけると同様,欠くことのできない項目となりつつある一方,とくに尿崩症の有無を診断する上で,ホルモン測定上の感度,特異性の点で改良さるべき技術上の問題が残されている.この点,下垂体後葉ホルモンの特異的結合蛋白,ニューロフィジンのラジオイムノアッセイによる測定も,今後後葉疾患診断法のひとつとなることが予想される.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.