速報
コントラミン(腦下垂体後葉製劑)による分娩誘導の経驗
松岡 道夫
1
,
朝隈 円
1
,
金石 伊
1
1京都大学医学部産婦人科学教室
pp.99-102
発行日 1953年2月10日
Published Date 1953/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200790
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緒言
1906年Daleが脳下垂体後葉エキスが,子宮收縮作用を持つていることを発表して以来,多数学者の研究により,この製劑は現在産科領域に於て,陣痛誘発又は分娩期の陣痛微弱,産褥期の子宮弛緩症に應用されている他,一般平滑筋の緊張を高める作用があるので,腸管麻痺,膀胱麻痺にも應用され,又利尿抑制作用があるので尿崩症にも用いられている。そして娩出期に於ける微弱陣痛に対する本劑の優秀なる効果は諸家の認める所なるも,開口期に於ける微弱陣痛,殊に陣痛誘発の目的に於ける本劑の効果に就ては,諸家の意見一致を見ていない。我々は今回第一製藥株式会社の腦下垂体後葉製劑コントラミン(1cc中10国際單單位含有)を産科領域使用し,分娩誘導,人工妊娠中絶に於て少しく例数を得たのでその成績を報告します。
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