症例研究
妊娠9ヵ月に合併した蜘網膜下出血の1例
吉元 昭治
1
1順天堂大學醫學部産婦人科教室
pp.342-346
発行日 1953年6月10日
Published Date 1953/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200853
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緒言
蜘網膜下出血は古くから知られWilks (1859)の例を以て初めとしQuinke (1981)が腰椎穿刺を行うに至つて確定した。妊娠に合併した本症は稀有なもので歐米では,Stroink (1936)の分娩後數時間で起きた1例Moskowitz及び,Schnei-der (1938)の分娩中の3例,Dahle (1946)の妊娠中毒症によると思われる3例,Carber及びMaier (1948)は妊娠中の2例と,分娩後の3例を,Pancot及び,Galleは梅毒によるものを1例.Gershenfeld及び,Savel (1950)は分娩後3日の1例Trodella (1952)は同じく分娩後3日に起きた1例を夫々報告している。本邦では,長澤(1930),藤田(1937),風野(1938),橋本(1941),國井(1942)林(19 3,49)等の報告を見るのみである。最近我が教室に於て妊娠9ヵ月に突然本症を合併した1例を經驗したので報告する次第である。
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