原著
エストロゲン代謝に於ける諸臓器の態度
小林 隆
1
,
堀口 正晴
1
1東京大學醫學部産科婦人科學教室
pp.512-516
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200706
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はしがき
性ホルモン代謝に關する諸實驗は比較的近年の事であるが,Evans & Burr (1926)は卵胞ホルモンを腹腔内に注射した場合と,皮下注射した場合とを比較して前者の效果が著しく劣ることを見出し,Zondek (1934)はin vitroの實驗で肝臓組織にはエストロゲン不活性化作用があることをみとめ,之は一種の酵素作用であるとしてEstri—naseと名付けた。Golden, Servinghaus (1938)は腸間膜に卵巣を移植し,Biskind, Mare (1939)はエストロゲン結晶を脾臓に移植して,夫々卵胞ホルモンの發情効果が失われる事を見出した。
Talbot (1939),Glass (1940)は脾臓内又は門脈系に卵胞ホルモンを注射すると,矢張り前と同様に發情効果が失われる事を認めて居る。
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